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司会者 時間が随分超過いたしました。このあと助言者の先生方からまとめていただいて終わりにしたいと思います。それでは先生方よろしくお願いします。

 

永富先生 活発なご意見を出して頂いたこと、先ずお礼申し上げたい。指導助言というより、私も一地方の中体連として、いろいろの取り組みをするなかでのことを話したかったのですが、各県から出された質問や意見を聞き感動したり、安心もしたりです。その感想を述べさせていただくということでお許しいただきたいと思います。
さて、今日の急変する社会に対応してスポーツ活動への国民の意識は急速に変化してきています。そこで私たち中学校の体育の指導者、とりわけ運動部活動の指導者の側にも強い意識改革が迫られていると思います。学校教育活動における運動部の方向も時短や休日増という世界的規模の潮流に飲み込まれることは必至で、特に、学校週五日制の実施にともない、中体連としての基本的な方向として「よりよい運動部活動」や「競技会のあり方」を本日のように真剣な論議が今後ますます重要となることと思います。
また一方中教審の中間答申や本大会の基調報告またシンポジュームで述べられたように運動部活動の果たす意義や役割は大きなものがあり、期待もされています。
そんな中で、中体連として部活動をどう考えたらいいのかということを、和歌山県では、先ほど発表させいただきましたように、競技大会のもち方を一部改革し、実施する中で中体連組織の充実も計られています。また3年前にもこの第3部会で、大会のもち方の将来ということで、競技スポーツ大会とレクリエーションスポーツ大会の2本立てでやるべきだという提案をさせてもらいました。このことについて、今、和歌山県の中体連では、経費や大会開催日の問題なども含め教育委員会等と協議をも進め検討しているところです
私たち教師の意識改革の中心的な課題は、生徒たちのスポーツに対する考え方感じ方とともに生涯スポーツの観点から見直していくことだと思います、昨日から何度も出ていますが、競技スポーツ、チャンピオンスポーツだけでは、もう対応しきれない時期にきているのではないかと思われます。
そうなると、スポーツの楽しさとか喜びとかを体得させていくという部活動の側面を、もっと前面に出していかなければならないだろうと思われます。また、生活の潤いや心の豊かさを求めて、生徒一人ひとりの生活ライフに即した運動のしかた、生徒一人ひとりに合う運動のもち方を模索していかなければならないだろう。そんな中では、おそらく、社会体育や地域と連携していかなくては解決がつかないだろうと思われます。
今、学校で始まっている外部指導者の導入の問題とかかわって、今後、労働時間の短縮や週5日制の導入により休日の増加などの問題がでてくるだろうと思われます。学校が休日のときには、学校教育の一環としての部活動は休みにすべきだろうと思うのですが、実態としては、今受け皿が地域社会にありませんので、学校で面倒をみるという部分もあろうかと思います。しかし、これからは社会、地域のスポーツ活動に戻していくことも検討していかなければならないのではないかと感じます。
そうなると、今後の課題として、中学生を含む地域のスポーツ活動をどう組織したらいいのか、指導者の組織、指導者の資質や養成の問題はどうなのかと考えますと、行政の方とも連携をしていかなければならないと思います。
なお、部活動の必要性、役割などについては、先ほど、北海道や鳥取県の発表にもありましたように、私たちが今持っている部活動で、現実の中学生の生活実態や生活意識と対応させて見直さねばならないと思います。文部省の調査でも、部活動に入ったらそればかりの生活になってしまい、ゆとりがないと訴える生徒

 

 

 

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